学習テーマ
「金融理論と実務」金融に関するさまざまな理論を幅広く学習するとともに、
それを用いて現実問題を解決する能力の取得を目指す。
(2009年度シラバス)
と、ありますように、金融というテーマを主軸に据えながら、
現実に起こっている様々な経済現象に対しての理解を深める学習を進めています。
経済的な理論を学ぶことと、現実世界で起こっている出来事の理解とを同時平行して行い、 より実践的な力をつけられるよう努力しています。
そうは言っても、実際にゼミを体験したことのない人にとってはイメージがわかないと思うので、
簡単に例を挙げて説明すると、
政府が発行するレポートを読み進めるだけでは、その裏側にある経済理論が見えてこないので、
学術的な論文を読み進め議論をすることで知識を蓄えてから、もう一度政府のレポートに挑戦する!
といった感じです。
金融理論に興味がある!という人はもちろん、
進学時にはまだ特定の興味がある分野はないが、
経済のことについてもっと幅広く勉強してみたい!
という人にもピッタリだと思います♪
学習形式
輪読形式、すなわち
「教材の範囲に担当者が割り振られ、その範囲の分をまとめて発表する」
という進め方です。
発表形式は自由です。
レジュメにまとめてくる人が多いですが、パワーポイントを使って発表する人もいます。
ゼミ当日は、発表者が担当部分について説明し、
それに対してゼミ生や先生が質問する形で進行します。
わからないことがあっても先生がわかりやすく答えてくださいますし、
ゼミ生同士の議論に発展することもあるので、質問することが大切です。
時には先生の鋭い質問に対して担当者が答えに窮する場面も見られます。
そういうときにも、ゼミ生同士で話し合ったり先生が解説してくださったりするので、
とてもいい勉強になります。
ゼミの終了時間は大体17時過ぎぐらいですが、
去年の様子を見ていると、先生がお帰りになっても、
スッキリしない箇所などはゼミ生同士で長時間話し合ったりすることが多かったです。
まぁ、いつの間にかただのお喋りになってたりするんですけどね(笑)
昨年度の学習内容
ここでは、昨年度に取り扱った教材を紹介します。
これ以外にも単発で論文を読んだり、政府や日銀が発行するレポートを読んだりしています。
(書籍については画像をクリックするとamazonに飛ぶようにしてあります。 より詳しく知りたいという方はそちらも参照してください。)
日銀金融市場レポート
2009年度の植田ゼミで最初に扱ったのがこの教材でした。
日本銀行が半年に1回発行している金融市場についてのレポートです。
僕たちは2009年1月発行のものを扱いました。
ちょうど前年度の秋頃から所謂「リーマンショック」によって景気が悪化していましたが、
実際に市場では何が起こっているのかを学ぶことができました。
最新のレポートについてはこちらから見ることができます。
興味のある人は是非!!
現代ファイナンス(大村 敬一)
金融市場レポートを読んだものの、金融についての基礎知識が少し足りないなぁということで、
初歩的な教科書である本書を読みました。
内容としては、駒場の専門科目1の「マーケットとファイナンス」の授業で扱うものの復習
といったレベルでした。
みんな、駒場の授業は大事だったんだなぁと思い知らされました(笑)
Corporate Finance (Richard A. Brealey, Stewart C. Myers, Franklin Allen)
金融論についてもう少し本格的かつ体系的に学ぼうということで、
北米の院・MBAなどで使われているこの本を勉強しました。
「現代ファイナンス」で下準備ができていたこともあり、とんでもなく難しいという印象はありませんでした。
(でもオプションのところは少しきつかったか……??)
英語については、出てくる単語が決まっているので「英語が得意でないと取り組めない」ということはまったくありません。
ご安心を♪
貨幣の経済学 (岩村 充)
これまでは金融市場レポートやコーポレートファイナンスなど、
実務的な性格が強い内容を学んできましたが、
少し立ち止まって、「そもそもお金ってなんなんだろう」ということを考えるために、
この本を勉強しました。
特に最近はデフレが話題に上りますが、デフレやインフレってそもそもなんなのか、
利子って何?など、基本的ではあるけれども実はよく理解できていないようなことを、
時間をかけて勉強できたのは良かったと思います。
現代マクロ経済学講義(加藤 涼)
冬学期にかなりの時間をかけて扱いました。
金融政策の理論を学びたいということで本書を選びました。
駒場のマクロ経済で扱う伝統的なIS-LMモデルではなく、
ミクロ的基礎付けがなされたNew IS-LMモデルという新しいモデルが紹介されており、
これまでのIS-LMの欠点や、最先端ではどのような研究がなされているのかを垣間見ることもできました。
1年の集大成ということでかなり学ぶところは大きかったですが、
ちょっと難しかったですかね……(笑)
ちなみに、著者の加藤さんは植田ゼミのOBで、秋のOB会にもいらっしゃいました。
偉大な先輩の後に続けるよう頑張りたいものです。
金融政策決定会合シミュレーション
これまで勉強してきたことを使って何かやろう、ということで、
日銀の金融政策決定会合を模して、実際に金融政策を議論してみました。
実際発表の準備をしてみて、
とにかく変数が多くて因果関係を掴むのが大変で、
そんな中で政策を決めるのは途方も無く難しいということがわかりました。
と、こんな感じでいろんな勉強をしてきましたが、
まとめると、
「経済がどのように動いているかを知るのが目的。
そのためにお金の動き=「金融」を勉強してきた」
というところだと思います。
偉そうにまとめてみましたが、まだわからないことだらけなので、
もう1年頑張って勉強したいと思います。
サブゼミ
毎週火曜日に行われるゼミとは別に、有志で行う勉強会があります。昨年は、夏学期には計量経済学を学び、
冬学期には特にテーマを決めずに気になった論文を読んだりしました。
参加は文字通り自由で、少し自由すぎるぐらいです。
やるかやらないかも自由です。
来年はどうしましょうかね〜